土地の譲渡において取得原価の資料がない場合の処理
土地の譲渡所得の計算において取得原価の資料がない場合の処理
質問
土地を売却しましたが土地を購入した時の契約書などがありません。この場合に譲渡所得の金額を計算する際に取得原価は売却金額の5%(概算取得費)を使うしかないのでしょうか。
回答
平成12年11月16日の国税不服審判所の裁決事例の中に、一般財団法人日本不動産研究所が出している市街地価格指数を利用して取得時点の時価相当額を推定して取得原価を出して譲渡所得を計算したことについて、計算に合理性があり、これを不相当とする理由は認められないという裁決の判断がなされているので、一般財団法人日本不動産研究所が出している市街地価格指数を利用して計算する方法が考えられます。売却金額の5%(概算取得費)で取得金額を計算した場合に不利になるケースでは、この方法の利用を検討するのもいいと思います。計算例を以下に記載いたします。
説例
売却金額 20,000,000円
売却物件の所在地域:住宅地
取得日:昭和42年3月23日
売却日:平成29年9月21日
市街地価格指数(住宅地:昭和42年3月時点):1,288
市街地価格指数(住宅地:平成29年9月時点):7,434
譲渡費用:仲介手数料等680,000円
取得原価=20,000,000×1.288÷7.434=3,465,160円
譲渡所得=20,000,000-3,465,160-680,000=15,854,840円
所得税=15,854,000×0.15=2,378,100円