法人成りを検討中の皆さんへ
個人事業者の方で事業が成長してきたので法人を設立し法人で事業を行うことを検討している方に参考になるように、法人で事業を行う事のメリット・デメリット、法人設立時の注意事項、法人設立後の注意事情などを整理してみました。参考にしていただければと思います。
法人成りのメリット・デメリット
個人で事業を行っていた方が法人設立し法人で事業をする場合にどのようなメリットとデメリットがあるのかを整理してみました。
法人設立のメリット
①経費にできる範囲が広くなる。
②個人事業よりも対外的信用がでて、営業等がしやすい。
③事業所得から役員報酬になるので、給与所得控除による節税メリットがある。
④個人の所得が多い場合、法人税の方が税率が低く税率による節税メリットがある。
⑤役員退職金を将来支払うことができる。
⑥法人で役員に対して生命保険をかけることができる。
⑦法人設立後1期目の消費税の納税義務がない。
(2期目も消費税の納税義務がなくなる場合があり、後の項目に記載があります。)
⑧決算期を自由に選ぶことができる。
⑨赤字(繰越欠損)を10年間繰り越すことができる。
法人設立のデメリット
①役員報酬は1年間同額の固定給で支払わなければならない。
②交際費は800万円を超えると全額経費にならない。
③社会保険への加入が義務づけられている。
④個人事業の時の所得が少ない場合、増税になってしまう場合がある。
⑤赤字でも、一定の税金がかかる。
(資本金1,000万円以下・従業員50人以下の静岡県の法人の場合、71,000円の法人住民税がかかります。)
法人成りについては、様々なメリット・デメリットが考えられますが、事業に関するビジョンが明確にあり、事業を拡大していく意思がある場合には、対外的信用等からみても法人化する方が望ましいと思います。
法人設立後の注意事項
①法人の設立届について
法人設立後2ヶ月以内に「税務署・財務事務所・市役所」に設立届を提出しなければなりません。
②青色申告の届出書について
法人設立後3ヶ月以内に税務署に青色申告の設立届を提出しなければなりません。青色の届出が遅れると、青色申告の選択ができず、第一期に赤字が出ても、この赤字を第二期以降に繰り越して、第二期以降の黒字と相殺することができなくなってしまいます。
③法人開始時点の貸借対照表について
個人の資産は、きちんと法人に引き継がれていますか。法人開設時点の貸借対照表の作成は重要な作業です。
④消費税の検討について
資本金1,000万円以上の場合、第1期目から消費税の申告が必要になります。本則課税と簡易課税のいずれが有利かを第1期目の決算日までに届け出なければなりません。資本金1,000万円未満の場合は、1期目は消費税の申告はしなくてもよく、1期目の最初の6か月間の売上高か給与支払額のいずれかが1,000万円以下の場合には2期目も消費税の申告はしなくてもよいことになっています。しかし、設備投資をする場合などは「消費税課税事業者選択の届出」を税務署に提出し、消費税の申告をした方が消費税が戻ってきて得になる場合があるので検討が必要です。(ただし、「消費税課税事業者選択の届出」を提出した場合、3年間継続して適用されるので十分な検討が必要です。)
⑤役員報酬について
社長の給与(役員報酬)は、期中にたびたび変更すると、法人税法上増加した分は役員賞与とみなされ、経費になりません。従って、最初の段階で適切な役員報酬の金額を決定する必要があります。
法人設立の手続について
○法人設立登記に必要な書類
・設立登記申請書
・定款(公証人が認証を受けたの)
・株式引受書
・創立総会議事録
・取締役・代表取締役及び監査役の就任承諾書
・出資者の預金通帳のコピー等の出資金の証明書
・代表取締役の印鑑届出書及び印鑑紙
・代表取締役の印鑑証明書など
法人設立時の注意事項
取締役会を設置しないことと非公開会社(株式譲渡制限会社)にすることをした場合、以下のメリットがあるので、一度検討すると良いでしょう。
①以前の有限会社の様に、取締役1人だけの簡単な機関構成の株式会社にすることができる。
②取締役の改選を10年ごとにすることができる。
法人設立後の提出書類
事業を開始する場合、様々な届出等を行わなければなりません。届出書をまとめると以下のとおりになります。
「法人設立関係の届出書」
法人を設立して事業を行う場合、以下の書類の提出が必要です。
○税務署
・法人設立届出書
・青色申告の承認申請書
・棚卸資産の評価方法の届出書
・有価証券の評価方法の届出書
・減価償却資産の償却方法の届出書など
(法人なりの場合は以下の書類の提出も必要です。)
・個人事業の開廃業等届出書
・所得税の青色申告の取りやめ届出書など
○県税事務所(静岡県静岡財務事務所)
・法人設立届出書
○市役所(静岡市役所)
・法人設立届出書
「従業員関係の届出書」
従業員(法人の場合、役員を含む)を雇う場合、以下の書類を各役所に提出しなければなりません。
○税務署
・給与支払事務所等の開設届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書など
○労働基準監督署
・労働保険保険関係成立届
・労働保険概算保険料申告書など
○公共職業安定所
・雇用保険適用事業所設置届
・雇用保険被保険者資格取得届など
○ 社会保険事務所
・健康保険厚生年金保険新規適用届
・健康保険厚生年金保険新規適用事業所現況書
・健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届
・健康保険被扶養者(異動)届など
ご相談はお気軽に
ここまで読んでいただいて分かったと思うのですが、法人設立については、いろいろ注意すべき点も多いので、税理士などの専門家の意見を参考にしながら法人設立を進めていく方が失敗がないと思います。最初の1回目の相談については1時間の無料相談を行っております。気楽にご相談ください。
無料法人設立(法人成り)支援について
法人設立を決断し、当会計事務所の顧問先になっていただける方に対しては、法人設立支援を無料で行っております。定款認証費用、設立登記費用、司法書士費用については別途かかりますが、提携の司法書士と連携して法人設立がスムーズにいくようにいたします。税務関係の提出書類等の提出は当会計事務所で行います。
法人標準報酬一覧
法人のお客様の報酬は以下のようになっております。
記帳代行(会計事務所が会計データ入力)・月次訪問監査・決算申告業務・税務会計顧問
売上高 | 訪問回数 | 月次報酬 | 決算報酬 | 年間合計 |
1千万円未満 | 年2回 | 10,000円 | 120,000円 | 240,000円 |
1千万円以上3千万円未満 | 年4回 | 20,000円 | 180,000円 | 420,000円 |
1千万円以上3千万円未満 | 毎月訪問 | 30,000円 | 180,000円 | 540,000円 |
3千万円以上5千万円未満 | 毎月訪問 | 35,000円 | 210,000円 | 630,000円 |
5千万円以上1億円未満 | 毎月訪問 | 40,000円 | 240,000円 | 720,000円 |
1億円以上 | 毎月訪問 | お問い合わせください。 | お問い合わせください。 | お問い合わせください。 |
この料金表は税抜金額のため、消費税は別途いただいております。
年末調整費用、給与事務等は別途料金になっております。
自計化(お客様が会計データ入力)・月次訪問監査・決算申告業務・税務会計顧問
売上高 | 訪問回数 | 月次報酬 | 決算報酬 | 年間合計 |
1千万円未満 | 年2回 | 9,000円 | 120,000円 | 228,000円 |
1千万円以上3千万円未満 | 年4回 | 18,000円 | 180,000円 | 396,000円 |
1千万円以上3千万円未満 | 毎月訪問 | 28,000円 | 180,000円 | 516,000円 |
3千万円以上5千万円未満 | 毎月訪問 | 30,000円 | 210,000円 | 570,000円 |
5千万円以上1億円未満 | 毎月訪問 | 32,000円 | 240,000円 | 624,000円 |
1億円以上 | 毎月訪問 | お問い合わせください。 | お問い合わせください。 | お問い合わせください。 |
この料金表は税抜金額のため、消費税は別途いただいております。
年末調整費用、給与事務等は別途料金になっております。
決算申告業務のみ
売上高 | 決算報酬 |
1千万円未満 | 160,000円 |
1千万円以上3千万円未満 | 240,000円 |
3千万円以上5千万円未満 | 280,000円 |
5千万円以上1億円未満 | 320,000円 |
1億円以上 | お問い合わせください。 |
決算申告業務のみの契約については、過去の記帳状況を確認させていただき、日頃の記帳が適切に行われている場合にのみお受けしています。
この料金表は税抜金額のため、消費税は別途いただいております。
年末調整費用、給与事務等は別途料金になっております。
年末調整報酬
基本報酬 | 法人(6人まで) | 30,000円 |
基本報酬 | 個人事業者(6人まで) | 25,000円 |
追加報酬 | 6人を超える場合 | 1人につき2,500円 |
相談予約お気軽にお問い合わせください。054-254-9636営業時間 9:00-17:30 [ 土・日・祝日除く ]
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