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利益を予測できないか

経営者にとって、どのくらい売上があるとどのくらいの利益になるかの予測をしたいと考えるはずです。なぜなら、赤字なら資金がなくなってしまうので避けたいですし、黒字なら税金が発生するので、どのくらい利益が出て、どのくらいの税金が出るかあらかじめ知っておきたいはずなのです。資金繰りを考える上でも、利益の予測はとても重要なことなのです。では、どのようにしたら、利益を予測できるのでしょうか。その方法が損益分岐点分析とかCVP分析(cost-volume-plofit analysis)とか呼ばれる分析方法なのです。ここでは、その仕組みについて少し説明していこうと思います。

変動費と固定費

まず、利益を予測するためには、経費を変動費と固定費に分けることから始まります。変動費とは売上高に比例して発生する費用のことであり、固定費とは売上高に関係なく一定額発生する費用のことです。このように、費用を変動費と固定費に分解することができると、売上高に対する費用の発生額が予測でき、売上高から費用を差し引いたのが利益なので、利益を予測することができるようになります。
具体的に、事例をあげて説明してみたいと思います。事務用品を販売しているA社の費用の発生を分析したら、以下の内容であることがわかったという仮定で分析をしてみましょう。

(変動費:売上高に比例して発生する費用)
売上原価:商品の売上原価(売上高の55パーセント)
運賃:商品の運送費用(売上高の5パーセント)

(固定費:売上高に関係なく一定額発生する費用)
給料手当:人件費(年間17,000,000円)
家賃:事務所の家賃(年間1,200,00円)
水道光熱費:電気代、ガス代、水道代(年間800,000円)
車両関係費:ガソリン代、車両の修理代(年間500,000円)
消耗品費等のその他固定費(年間500,000円)

 A社の場合、売上げに対して、売上原価が55パーセント発生し、運送費用が5パーセント発生するので、変動費は売上げに対して合計で60パーセント発生することがわかります。固定費は、年間一定額発生し、人件費が年間17,000,000円、事務所の家賃が年間1,200,00円、電気代・ガス代・水道代が合計で年間800,000円、ガソリン代・車両の修理代が合計で年間500,000円、そのたの固定費が年間500,000円しています。固定費は合計で年間20,000,000円発生することがわかります。A社の場合、売上げが変動した場合、費用の変化と利益の変化がどうなっていくのかを表を書いて確認していきましょう。売上高が30,000,000円から70,000,000円の範囲で計算してみたいと思います。

売上高 30,00,000  40,000,000  50,000,000  60,000,000  70,000,000
 変動費  18,000,000  24,000,000  30,000,000  36,000,000  42,000,000
 貢献利益  12,000,000  16,000,000  20,000,000  24,000,000  28,000,000
 固定費  20,000,000  20,000,000  20,000,000  20,000,000  20,000,000
 営業利益  -8,000,000  -4,000,000   0   4,000,000   8,000,000

 売上げに対する変動費の割合を変動費率といい、売上高から変動費を引いた利益のことを貢献利益といいます。A社の場合、変動費率が60%なので、売上高に対して60%変動費が発生したものとして表に書きこんでみます。次に、売上高から変動費を引いた貢献利益を計算しますが、、売上高に対して40%になるはずです。貢献利益は売上高が増加すると増加した売上高に対して40%ずつ増加することになります。この貢献利益と固定費が同額になると損益が0になります。この売上高のことを損益分岐点とか損益分岐点売上高といいます。A社の場合、50,000,000円の売上高が損益分岐点売上高になります。このようにして、変動費と固定費に費用を分類することで、売上高に対する費用の発生額が予測でき、その結果、売上高から費用を引いたのが利益なので、利益まで予測することができることになります。これを計算式で示すと以下のようになります。

    営業利益 =売上高-変動費-固定費

          =売上高-変動費率×売上高-固定費

          =(1-変動費率)×売上高-固定費

                固定費
   損益分岐点売上高= ──────────
              1-変動費率

変動費と固定費とに区分する方法

変動費と固定費とに区分する方法について解説しておこうと思います。変動費と固定費とに区分する方法については、費目別精査法(勘定科目精査法)、高低点法、スキャッター・チャート法、回帰分析法、IE法などいろいろな方法がありますが、実務では費目別精査法(勘定科目精査法)がとられることが多いので、費目別精査法(勘定科目精査法)について説明したいと思います。この方法は勘定科目を精査して、勘定科目ごとに変動費か固定費かに分類する方法です。勘定科目の予算管理を行う意味でもこの方法が実務上一番有効であると思われます。予算と実績を比較して、発生額の管理を行う場合、変動費は売上高に対する割合で予算管理を行うべきですし、固定費は固定額で予算管理を行うことになります。実務上の予算管理の点からも、実務では、費目別精査法(勘定科目精査法)をとることになります。変動費と固定費が混じっていてどちらにも分類できない場合には、補助科目をつけて金額を把握するなどして対応していけば、ある程度精度の高い分析と予算管理ができると思います。

変動費は業務活動費用、固定費はキャパシティーコスト 

ここで、変動費と固定費について、もう少し詳しく説明したいと思います。変動費は、販売行為と生産行為に伴って発生する費用であり、販売行為や生産行為がなければ発生しない費用です。それに対して、固定費は販売行為や生産行為を行っても行わなくても、一定の販売能力・生産能力を維持しようとする限り、販売行為や生産行為とは無関係に発生する費用です。具体的に説明してみたいと思います。販売するために、事務所を借りれば家賃が発生し、人を雇えば人件費が発生します。生産をするために設備を保有すれば、減価償却費や賃借料などが発生します。ここにあげた費用は一度設定してしまうと、販売行為を行っても行わなくても発生してしまう費用であり、販売能力や生産能力を維持していくための費用なのです。固定費は、このように能力維持のための費用で、キャパシティ・コストであるといわれます。そして、固定費は、能力維持のための費用なので、ある一定の売上高の範囲では、変更されない費用ですが、売上高の増加が著しい場合には、変更されることになります。売上高が増加すれば、今の人員では処理できなくなり、人を雇わなくてはならなくなったり、事務所も狭くなってしまい、広いところに移らなくてはならなくなるからです。その意味では、固定費は今の販売能力・生産能力でカバーできる売上高の範囲では、変更されないで固定費でありつづけますが、今の販売能力・生産能力でカバーできなくなると増額されてしまう費用であるという点は理解した上で、CVP分析を行い、利益予測を行う必要があります。つまり、売上高の増加が著しい等の事情で販売能力・生産能力の変更を企業が行う場合には、固定費が増額されるので、予算の変更を行うことになります。固定費のキャパシティ・コストであるという点を理解した上で、CVP分析を行うことがより精度の高い分析をするためのポイントといえます 


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